myno

2020/07/22 07:09


プロアスリートの世界では、薬物等の使用は禁止されています。
人が競技することに熱狂し興奮と感動を醍醐味とするスポーツにおける世界共通ルールの1つです。
競技者には、薬物使用の有無を確かめるドーピング検査が定期的に実施され、陽性反応が出ると薬物使用の疑いが問われ、罰金・謹慎など厳しく制裁が課されアスリートとしての活動を停止せざるを得なくなります。

例えば、市販の風邪薬や漢方なども全面的に禁止されています。食事やドリンクなど口にするものには特に気を遣わなければなりません。チーム内で使用する薬が定められており、病院で処方された薬等もすべてチームのドクターやトレーナーに確認を仰ぎ、了承されてから摂取します。ですので、日々の体調管理に使うもの摂るものを取捨選択する知識が求められるのです。

アスリートにとって、競技から離れる時間は大変辛いものです。怪我や病気などやむを得ずプレー出来ない状況では、不安と焦燥感に駆られます。
僕が右膝前十字靭帯を負傷した時を思い返し、お話ししたいと思います。前十字靭帯の負傷はサッカーの現場では治療期間が長い怪我です。負傷後1カ月は手術に向けての準備期間。手術の際に腫れた膝では正確に出来ない為に炎症を引かせる期間を設けます。受傷→手術→入院→病院でリハビリ→グランドでリハビリ→競技復帰という流れで、一般的に8~10カ月を要して競技復帰に臨みます。
受傷後はある程度割り切って切り替えたので、入院中などはストレスを溜めることなく過ごせました。実は、一番辛かったのはグランドに戻ってリハビリを始めてから。なぜなら、チームの練習を横目に淡々とリハビリをこなさなければいけません。
自分にはまだ出来ないサッカーをしている姿に羨望の眼差しを向けていました。
また、手術後の脚は棒のように感じ、思うように動いてくれません。練習中のチームメイトのプレーに自分との差を見せつけられてしまい、焦燥感に駆られたことを覚えいます。
手術するような怪我は初めてでしたので、当時はこの脚で戻れるのかと不安になりピッチとの距離を感じていました。

怪我は時間を経てトレーニングを積むことで復帰が近づくものなので、そこにフォーカスし取り組むことに意識を向けるのですが、身体に問題の無い状態でプレーすることを許されない時間はより大きなストレスとなります。
コロナによってJリーグ・チーム活動が停止していましたが、仕方ないと考えつつもピッチから離れた時間を過ごすとフラストレーションが蓄積してしまいます。
アスリートとして競技から離れる時間は出来るだけ少なくしたいと考えます。
それは、日々の積み重ねが重要であると認識しているから。
怪我・病気・ウイルス、そしてドーピングに対する最善の準備が必要です。

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